米国ミネアポリスの警官による黒人市民殺害についてブラジルの黒人団体、カポエイラ団体は一様に激しい憤りを表明しています。私個人的にも、ブラジルの黒人の歴史に根差すカポエイラをたしなむ一人として、世界にはびこる構造的な人種偏見に断固「No!」を主張します。

ブラジルでも状況は似たようなものかそれ以上に酷いです。逮捕されるのも殺害されるのも圧倒的に黒人の割合が高いです。ちょうど昨年の今頃、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで黒人の家族4人が乗った車に80発の銃弾が撃ち込まれ、運転手がその場で殺されるという事件がありました。撃ったのは陸軍の兵士たちでした。近くで盗まれた車に似ていた車種だったというだけの理由で。車を止めて確認することもなく、いきなり銃弾を浴びせかける光景は、住民に撮影され、ブラジル中に批判を呼びました。で、結局人違いだったんです。家族は友人の家に生まれた赤ちゃんのお祝いに向かう途中でした。

ここでも疑われたのは黒人です。向こうが攻撃してきているわけでも、確かな証拠があるわけでもなく、普通の家族の乗った車に80発の弾丸を打ち込む必要があるでしょうか?どう考えても過剰、異常としか思えません。もうこれは憎悪としか言いようがありません。

こういうのを構造的人種主義(racismo estrutural)といいます。社会の構造の中に、「黒人は劣る、黒人は犯罪者だ、黒人は危険だ」という偏見が組み込まれてしまっているんですね。それは偏見だけでなく、教育や雇用の機会、社会資源に対するアクセスなど、実際に奴隷制廃止以来、彼らがおかれた政治的・経済的に劣悪な待遇によって支えられています。

人種の問題は、カポエイラとして常に意識的でありたい最重要トピックですね。