カポエイラ大好き人間が抱える二つの不思議。一つは、「どうしてカポエイラってこんなに楽しいんだろう?」で、もうひとつは、「その割にはどうしてなかなか人が増えないんだろう?」ではないでしょうか。おめでたいですよね!いずれも一般人には、頭をよぎりもしない疑問であります。

ところで、この7月から『ヤング・ジャンプ』でカポエイラを主題とした漫画の連載がスタートするということで、もしかしたらにわかにカポエイラ・ブームが起こるかもしれません。これまで来そうで来なかったXデーに備えておくためにも、私たちカポエイラ人としては、いま一度自分たちのパッションの源を見つめなおし、カポエイラの魅力を分かりやすい言葉で説明できるように準備しておく絶好のタイミングではないでしょうか?

私たちが日ごろぼんやりと、しかし確信を持っているカポエイラの魅力。そのぼんやりの部分をこの機会にくっきりにしてみようと思っています。多くのカポエイリスタにとって、その魅力がぼんやりである理由は、あまりにもいろんな要素が絡み合っているだけに、なかなか短い言葉にまとめきれないためもあると思います。カポエイラの面白さというのは、決して動きなど目に見える部分だけではないですよね。奴隷制の時代から乗り越えてきた政治的な山や谷、社会的な壁。その歴史からにじみ出る、言葉にならない重み。他者の尊重や多様性の共存を目指すライフスタイル。そして自分たちもその文脈に中にいるんだという誇りのようなものも私たちのカポエイラに対する気持ちに大きな影響を持っていると思います。

しかしながら、そんな複雑なことを、カポエイラという言葉さえ聞いたこともない人たちにも分かる言葉で説明するのは決して簡単なことではありません。なのでつい「難しいことは置いておいて、楽しければいいじゃん」「まぁ、とにかくやってみれば分かるよ」というような安易な文句の繰り返しで来てしまっていると思います。もちろん本来はそれで何の問題もないのです。楽しいことにわざわざ理屈をつける必要もないですからね。だいたい幸せのまっただなかにある人は、自分は今どうして幸せなのかなどと問い詰めたりしないものです。ただ今回は、そこをあえて探求してみようという試みです。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」とは、私は祖父から聞きましたが、もともとは作家の井上ひさしさんの言葉だそうです。私たちカポエイラ人が、まさにこの気概をもってカポエイラに向き合うならば、誰もが優れたカポエイラ伝道師になれるはずです。

というわけで久しぶりのパポエイラ(カポエイラに関するおしゃべり)のホーダです。これから数回にわたって私の考えるカポエイラのアピールポイントなどを思い巡らしていきたいと思います。いろいろわき道にそれながら、のんびり行きますので、気になる話題がありましたら、ぜひご意見、お考え聞かせてください。みんなでパポエイラ楽しみましょう!(つづく)